世界で最も美しい山脈ドロミーティ
ドロミーティ山脈の魅惑的な世界について皆さんにお話しする前に、皆さんに次のこと を考えていただきたいのです。
コルティーナのアルプス・ガイドたちは、情熱と、プロとしての優れた能力を以って、
100 年以上も前から、お客様方をこの山ドロミーティに案内しております。 ですから、皆様方が絶対の安全の中で冒険するためには、私たちにコンタクトを取られ
ることをお勧めいたします。
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私は数年前、クライミング・メイト・クラブ(CMC)の永沢栄氏の企画と同氏のロックク
ライミングへの大いなる情熱により、ロッククライミングのコースをお教えするために長 野県山岳協会により、日本へ招かれました。私は、そこでの参加者たちとの会話の中で、 次のことを知りました。
イタリアら遠く離れている日本では、ドロミーティ山脈はほとんど知られていないとい うこと。そして、せいぜい、誰かからラヴァレードの 3 つの頂上について話すのを聞いた 程度だということを。
以上のことを知って、私は大変驚きました。何故ならば、ロッククライマーだったら誰 だって、少なくとも一生に一度はこの場所(ドロミーティ山脈)を訪れるべきだと、私は 信じていたからです。
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では、世界で最も美しい山脈にご案内いたしましょう。
まず、大自然の愛好者の全員がこぞって、此処ドロミーティで、世界にある他の山々と は比較にならない何かを見いだすに違いありません。
幻想的なドロミーティ連峰が、緑の牧場と、モミとカラマツの深い森から浮かび上がっ て来ます。太陽が地平線の上に昇り、やがて夜明けの薄いバラ色から日没の灼熱の赤色へ と、色を変えて行きます。良く整備された幾万にも及ぶ小道の網の目は、ハイカーたちに、 難なく身体を動かし、且つ比類のない美しさを持つパノラマを楽しむのを可能にしていま
す。
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経験豊かなロッククライマー(登山家)でなくても、ドロミーティ山脈の頂上までよじ
登れます。これらの頂上には「線路(フェラータ)」と呼ばれるルートが多く存在していす。 安全を確保するために、うまい具合に金属製ケーブル(ロープ)や、つり梯子や、つり 橋をつけた「フェラータ」のルートが在ります。このフェラータは、大部分、第一次世界 大戦のとき、ここで激しい戦闘を交えたイタリアとオーストリアの軍隊の手によって造ら
れた古いコースを走っています。
最小限のクライミングの経験を持っている登山者ならば、ヘルメットと 2~3 メーターの ロープを用意すれば、岩登り用のザイルや完璧な装備を必要としないで、全く安全に道を 登ることが出来るので、ドロミーティ山岳には豊富な登山の伝統があります。
また、ここではアルプ山脈への困難で有名なルートの大部分を見つけるこが出来ますし、 ドローティ山岳は今日に至るまで極めて優れた力ある登家たちの祖国でもあり続けていま す。
ドロミーティ山岳は事実、登山家たち(ロッククライマー)にとって、パラダイスなの です。数万にも及ぶ登山、登攀ルートは、初心者から超ベテランの登山家に至るまでの、 どのレベルの登山家が求める困難さや、難しさにも応じる能力を持っていますし、どのレ ベルの登山家でも、このドロミーティ山岳の中に、各自の能力と要求に適合するルートを 見いだすことができるでしょう。
絶壁にある8c+ のルートか、Torridel Sella(トッリ・デッラ・セッラ:鞍の塔)の上にある 3 級の 200 メーターのルートのどちらでも選ぶことが出来ます。
Tofane(トファーネ) にある 400 メーターから 900 メーターまでのラインは実に見事です。そ れから、日当たりが良く、非常に岩が堅固なマルモダーラ山(Marmolda) の南壁、チヴェッ タ(Civetta) の厳しい北壁には 1000 メーター以上の伝統的、且つ、近代的(モダーン)な ルートもあります。ラヴァレード(Lavaredo) のトレ・チーメ(Tre Cime:三つの塔)に向か う、とてつもなく巨大なオーバーハング。ヨーリ・アル・モンテ・アグネル(Jori al Monte Agner)の果てしない 1600 メーターの絶壁。
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登山の大半は、ホテルかキャンプ場から出発して、昼間(日中)のうちに終了されるこ
とが出来ます。1000 メーターを超える登山、或いは徒歩で大変長いアプローチを要する所 では、通常は山小屋に泊まります。
ドロミーティ山岳には 100 以上の山小屋がありますが、すべてとても居心地が良く、快 適な小屋です。ほとんど総ての山小屋はシャワーとお湯の設備があり、2 人部屋か4人部 屋、或いは大部屋の設備が整っています。これらの山小屋の大部分は快適で、眺めの良い 小道を通って到着する事ができます。他の山小屋はロープウエーか或いはリフトで、そし て、わずかの山小屋だけが車で到着することができます。
登攀ルートは、ほとんどすべて、既に整備されており、クラシック(古典的)と近代的 なルートの二つカテゴリーに細分されています。この 2 つのルートの相違は、主として、 これらのルートが整備されている方法にあります。
古典的な登攀ルートには、通常ハーケンが打たれており、いつもでも信頼できるわけで はありません(それらのいくつかはあまりにも古びています)。そして最も容易なルートで は、たいていアンカーはまばらにしかありません。 時々、1 ピッチ全体に全くハーケンが
無いこともあります!
固定されたピンの品質を見定めるのと同じように、ルートファインディングには経験を 伴った、よい能力レベルが必要です。
岩石の性質は、さらに慎重に評価しなければなりません。ドロマイトは、特に黄色い着 色された壁では、非常に脆い可能性があります。最も頻繁に登られるルートでは、脆い岩 は既に多くの登攀によって取り除かれていますので、通常は安全です。
それに対して、現代的なルートには豊富なボルトが設置されており、岩はたいてい非常 に硬いものです。 これらのルートを成功させるためには、登る技術と能力の結合とフィッ トネスとスタミナが無くてはなりません。とにかくクライミングの高いレベルが要求され ます。テクニックの難しさは伝統的道路よりも完全に数段上でトレーニング(訓練)が不 可欠です。
「古典的な登攀ルート」のグレードは、UIAA グレードで、I から XI まであります。人工登 攀では A0 から A4 までのグレードが使われます。 現代的なルートとスポーツルート(フ リークライミングのルート)では、フレンチグレードが使われ、グレード 3a からグレード
9a まであります。 スポーツ・クライミング愛好者にとっては、すべてが非常に良く整備され、しかも夢の
ような場所に位置している壁に、事欠くことはありません。これらの壁のほとんどには、 徒歩で 15 分以上はかかりません。 雨の日でも登ることが可能なように、ルートのいくつ かは本当に張り出しています(例えばエルトのように)。
私は、貴方にとって忘れられない経験となるであろう旅を始めるために、ここで示しま した情報が十分であることを望んでおります。 ドロミテアルプスでの休暇は、ユニークな ものであり、心と体の両方にかけがえの無い良経験になるでしょう。
最後に、私は、これらの谷を訪問するすべての方々に、土地の風習と伝統を尊重し、そ して何よりもすべての山を尊重することをお願いいたします。 これだけで、山々は、あな たに、高山での経験をはぐくむばかりではなく、貴方自身の心をも成長させてくれること
でしょう。
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ドロミーティ山脈の位置
ドロミーティ山脈は、北はオーストリア国境と南はベニスの平地に囲まれた、イタリア の北東にあます。もっと正確には、イタリアの最も北の地域、ベネト、およびトレンチノ・ アルト・アディジェの間にまたがって位置していて、ベルーノ、トレント、およびボルツ ァーノの 3 つの州に属しています。
訪れ方
ヨーロッパ以外の国からやってくるお客さんたちには、2 つの主要な国際空港はミラノ とミュンヘン(ドイツ)です。ヴェネツイア空港も便利です。それから2つの小さなローカ ルな空港がインスブルック(オーストリア)とベローナにあります。空港からマイカー(車) でのドロミーティへの旅行はミラノから約4時間半、ミュンヘンからは 3 時間半、インス ブルク、ベローナ、ヴェネツイアからは、2 時間半です。列車とバスのサービは行き届いて いますが、特にシーズン最盛期には直行バスが運行されております。
地質学上の概要
ドロミーティアルプスのすばらしい風景は、その地質学的特徴によっております。 山々の形は他のアルプスに比べてまったく奇妙で、地球上の他の山に比べても異常です。 主要な地質学の違いは、2 つの違う種類の岩石、火山岩と、ドロマイトの違いによるもので す。
ドロミーティという名前は、その発見者( Deodat de Gratet de Dolomieu、ドロミエ:
1750-1801 年、フランスの化学、鉱物学者)に由来しております。 彼は、1789 年にローマ に旅行する間に、彼はイサルコ渓谷の中で奇妙な種類の岩を収集しました。 後の検査で、 岩が未知の鉱物で作られていることが判明いたしました:炭酸マグネシウムカルシウム
(苦灰石)、CaMg(C03)2。 ドロマイト(あるいは Dolomia)と言う言葉は、現在の科学用語 では、鉱物と岩の両方に適用されております。 しかし、この地域の岩石はすべてドロマイ トで作られるわけではありません。 例えば、ラテマーとマルモラーダ(ドロミーティの最 高峰、3343 メーター)は石灰岩(同様な起源を持つ少し違う岩石)できております。ドロミ
ーティの岩石が形成された時、それらはすべて石灰岩でした。ラテマーとマルモラーダを 除く、苦灰岩化プロセスは後で始まったものです。ラテマーとマルモラーダは、火山岩に よってカバーされていたので、苦灰岩化を免れたのです。
ドロミーティアルプスを成形したプロセスは二畳紀、三畳紀(2 億-2 億 6500 万年前)でし た。 ドロミーティを形成する岩石は、1 億年以上かかって海底に堆積し、大きな層となり ました。第三紀(60~500 万年前)の間に、アフリカ大陸とヨーロッパ大陸との衝突により、 地殼が隆起し、海低の鉱床が地表に出現しました。 ドロミーティ地域を含むヨーロッパア ルプスはその過程で誕生したものです。
地理
ドロミーティの山々は南北 90 キロ、東西 100 キロよりも広い領域を占めています。ドロ ミーティ山脈は 15 の異なった起伏に富んだ山岳によって形成されていて、その一つ一つの 山が 3000 メーターの標高があります。これらの山岳(連山)は川、渓谷、道によって分離 されています。最も重要な川はイサルコ川と西方にあるコルデイヂエ川です。北にはリエン ツア川がありピアヴェ川は東方です。アビジオ川とコルデヴォレ川は北から南へドロミーテ
ィ山脈の方へ向かって流なれています。アデイヂエ川の西にある唯一の山岳はブレンタのグ
ループで、ブレンタはドロミーティ山脈の残りの部分から少し離れて巨大な楕円形をして おります。
気候(風土) ドロミーティ山脈は一般に暖かで、オーストリア、スイス、およびフランスの高山地域
よりも、降水量は少なめです。 悪天候は一般に南と南西から来ます。 北風は通常よい天 候をもたらします。 他の総ての山岳地帯と同様に、特に 7 月と 8 月には天候が突然変わる ことがあります。夏の間、6 月中旬から 8 月初旬までは、昼は暖かく、夜は澄んでひんやり とします。
7 月中旬から 9 月中旬までは、時々、午後に雷を伴った嵐に見舞われます。 暖かく晴れ た日が、1 時間もしないうちに、一種の地獄の中に変わることがあります。 風による冷却 要因を考慮すると、気温は一気に 15 度以上、下がることもあります。 したがって、登攀 や、トレッキングに、出発することを計画している人は誰でも、まず地域の天気予報をチ ェックするか、その地域のアルパイン・ガイド・オフィスを訪問することをお勧めいたし ます。また、どのような活動でも朝早く始めることをお勧めいたします。
9 月から 10 月まで(時には 11 月でさえ)、天候は夜の冷気を伴って、クリーンで安定して います。そして、天候が悪い時には、最も高いピークでは降雪の可能性があります。 これ らの月のあいだに、森と森林では、すばらしい秋の色彩を見ることができます。 12 月から
3 月までが冬です。白い雪のマントがドロミテアルプスを一面に蔽い尽くします。 春は通 常良い天候は少なく、雨がよく降り、この時期はアウトドア活動のためには、よい時期で はありません。
ドロミテアルプスの花や動物についてもご紹介したいことは沢山ありますが、スペース がありませんので、私はこの目的のためには、以下の専門の出版物を参照するようにお勧 めいたします。
お勧めするホームページアドレス: 作者について:3bonsai@tin.it 様々な情報は:www.dolomiti.org(日本語版も有ります)
文献:
James and Anne Goldsmith (ジェームズとアン・ゴールドスミス著): 「Le Dolomiti d’Italia」 - Edizioni Dolomiti s.n.c., 1989 年
(終)